【ドッグトレーナー監修】今年も犬の熱中症に要注意!

大阪府・兵庫県を中心にドッグトレーナーと犬の管理栄養士で活動している原口です。
年々厳しくなる日本の夏。特に2024年の関西地方では、記録的な猛暑となり、犬の熱中症リスクがこれまで以上に高まっています。人より暑さに弱い犬にとって、夏は命に関わる季節。飼い主が正しい知識と対策を持つことで、大切な愛犬の健康と命を守ることができます。
この記事では、ドッグトレーナーの視点から犬の熱中症の基礎知識や予防法に加え、2024年の気象データを交えて徹底解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、暑さ対策の参考にしてください。
■ 2024年の関西地方は異常な猛暑
気象庁の発表によると、2024年の関西地方(大阪、京都、神戸など)では、6月から9月にかけて平年を上回る気温が続きました。
- 【2024年7月】大阪の月平均気温:29.9℃(平年比+1.2℃)
- 【2024年8月】京都の猛暑日(日中の最高気温35℃以上):18日(過去最多タイ)
- 【2024年の熱帯夜日数】:大阪市で53日(25℃以上の夜)
このように、日中の暑さだけでなく夜間の気温も高く、犬が休まる時間が少ない夏だったと言えます。
エアコンなしでは室内でも熱中症になる危険性があり、特に短頭種や高齢犬には過酷な環境となりました。
■ 犬の熱中症とは?人間以上に危険な理由
犬の熱中症とは、体温の上昇により身体の調節機能が崩れ、内臓や脳に深刻なダメージを与える状態です。
人間は全身から汗をかいて体温を下げることができますが、犬は肉球にしか汗腺がなく、体温を下げる方法は主に「パンティング(浅く早い呼吸)」のみ。
このため、特に湿度が高い日本の夏では体温を効率よく下げられず、あっという間に体調を崩してしまうのです。
■ 熱中症の初期症状と重症化のサイン
以下のような症状が見られたら、すぐに対処が必要です:
- 激しいパンティング(呼吸が荒い)
- ヨダレが異常に多い
- 体が熱い
- ふらつきや虚脱感
- 嘔吐・下痢
- 舌や歯茎が赤または紫色に変色
- 意識が朦朧とする、けいれんを起こす
特に短時間でこれらの症状が出ることが多く、「少し元気がないな」と感じた時点ですでに危険な状態であることも。
すぐに涼しい場所へ移動し、冷たいタオルや保冷剤で体を冷やしながら、動物病院に連絡しましょう。
■ 犬を熱中症から守る5つの対策
2024年のような異常気象下では、以下のような対策が特に重要です。
1. 散歩は早朝または夜に
午前6時前後、または日没後の19時以降がおすすめ。アスファルトの表面温度は日中50℃以上になることもあり、肉球が火傷する危険もあります。
2. 室内は24時間空調管理を
特に留守番時は注意が必要です。エアコンの設定温度は**25〜28℃**が目安で、除湿(ドライ)モードも有効です。
3. 水分補給をこまめに
新鮮な水をいつでも飲めるようにし、外出時は携帯用ボトルを持参しましょう。
冷たすぎる水は胃腸を冷やすので常温~少し冷たい程度がおすすめ。
4. クールグッズの活用
冷感マット、保冷剤入りの首輪、ひんやりベストなどを使用することで快適に過ごせます。
最近はペット用のクールテントなども人気です。
5. 留守番時の見守りアイテム
ペットカメラや温湿度センサーを活用することで、外出先でも愛犬の様子を確認できます。
■ 特に注意すべき犬種と年齢層
熱中症のリスクが高い犬には共通点があります。
- 短頭種(パグ、ブルドッグ、シーズー、ペキニーズなど)
→ 呼吸器の構造上、パンティングが苦手 - 高齢犬や子犬
→ 体温調節機能が未熟・低下している - 肥満傾向のある犬
→ 体熱がこもりやすく、冷却しにくい
これらの犬は特にこまめな観察と対策が必要です。少しの油断が命取りになることもあります。
■ まとめ:2025年も油断禁物。今から準備を!
2024年の猛暑データからもわかるように、日本の夏は「過ごせばいい」ではなく、「備えて守る」季節になっています。
犬は自分で環境を選べません。飼い主の判断が、愛犬の健康を左右します。
「今年も暑くなりそうだな」と感じたら、すぐに対策を始めましょう。
散歩時間の見直し、室温管理、クールグッズの準備など、できることはたくさんあります。
愛犬の小さな変化を見逃さず、2025年の夏も健康で楽しい思い出を作れるよう、ぜひこの記事を参考にしてください。