犬のタンパク質摂取量は大丈夫!?

こんにちは!
大阪府・兵庫県を中心にドッグトレーナー/犬の管理栄養士として活動している原口です。
今回は犬のタンパク質について解説致します。
目次
🐶 犬のタンパク質過剰摂取とは?
犬は肉食寄り雑食動物のため、タンパク質を豊富に含む食品は必要です。ただし「過剰摂取」とは、体が必要とする量を大幅に上回り、健康に悪影響を及ぼす状態を指します。長期的な高タンパク食は、腎臓・肝臓への負担、肥満、心臓病などのリスクを高めます。
なぜ過剰摂取が問題になるのか?
- 腎臓への負担
タンパク質が分解されると窒素代謝産物(尿素など)が生じ、腎臓でろ過されます。過剰な負荷が続くと、ろ過能力が低下し、慢性腎不全のリスクが高まります。 - 肝臓障害の可能性
タンパク質の分解には肝臓も関与。負担が増えると、脂肪肝や肝機能低下を招くことがあります。 - 肥満・体重増加
多くの高タンパク食は高カロリー。適切な運動が伴わない場合、肥満を引き起こし、関節や心臓への負担、生活習慣病リスクが増します。 - 下痢や消化不良
消化できる量を超えたタンパク質は腸内で腐敗し、下痢やガス、腸内細菌バランスの乱れを起こすことがあります。
適切なタンパク質の摂取量は?
犬の最適なタンパク質量は、年齢・サイズ・活動量・健康状態で異なりますが、一般的には下記が目安です(AAFCO基準):
- 成犬:体重1kgあたり1.2〜3.5g
- 成長期・妊娠・授乳期:1.5〜4.0g/kg
例:体重10kgの成犬なら12〜35g/日が目安。ただし、ケージ運動や散歩のみの生活では、必要量はやや少なめです。
オーバーしないためのチェックリスト
チェック項目 | 内容 |
---|---|
給与量を確認 | ドッグフード記載の「粗蛋白」含有率と給餌量のチェック。 |
おやつの過剰に注意 | 鶏肉・チーズ・ジャーキーなどの高タンパクおやつが多いと過剰に。量と頻度を管理。 |
健康状態のモニタリング | 年1回以上の健康診断。血液検査で腎機能(BUN、クレアチニン)、肝機能(ALT、AST)を確認。 |
食事のバランス調整 | 野菜や穀物も必要量を加え、総カロリーに占める割合を調整。 |
過剰摂取が疑われた時の対応方法
- かかりつけ獣医師へ相談
腎・肝・消化器系に異常がないか血液検査や尿検査を必ず受けましょう。 - 食事内容の見直し
タンパク質含有率が低めのドッグフードに切り替え。理想は粗蛋白20%以下(体重や活動量によって調整)。 - 低タンパク質レシピの活用
獣医師と相談して、玄米・野菜・鶏むね肉少量などを使った低タンパク食レシピに変更することも選択肢です。 - 運動量の確保
適度な散歩や遊びで、カロリー消費のバランスをとることが大切です。
まとめ
- 適量のタンパク質は健康維持に不可欠。
- 長期での過剰摂取は腎臓・肝臓・消化器に負担をかけ、肥満や生活習慣病のリスクもあります。
- 給与量・含有率・おやつを見直し、定期的な健康診断で早期発見・早期対処を。
- 食事の切り替えやレシピ変更、運動量の確保を組み合わせて、安全で快適な生活を目指しましょう。