犬は吠えたらダメ?警戒吠え・要求吠えの違いをドッグトレーナーが解説

大阪市を中心に活動する。ドッグトレーナー・犬の管理栄養士の原口です。

犬のしつけに関するご相談の中でも、特に多いのが「犬の吠え」に関するお悩みです。

「来客があると吠える」
「散歩中にほかの犬へ吠える」
「ごはんが欲しくて吠える」
「保護犬を迎えた直後は静かだったのに、最近吠えるようになった」

愛犬が吠えると、飼い主さんは「吠えさせてはいけない」「すぐにやめさせなければ」と考えてしまうかもしれません。

しかし、そもそも犬は吠えたらダメなのでしょうか。

結論からお伝えすると、犬が吠えること自体は悪いことではありません。

吠えることは、犬にとって大切なコミュニケーション手段のひとつです。大切なのは、ただ吠えるのを禁止するのではなく、「なぜ吠えているのか」を理解することです。

目次

犬が吠えるのには理由があります

犬は人間のように言葉を使って、自分の気持ちや希望を伝えることができません。そのため、表情やしぐさ、体の動き、鳴き声などを使って気持ちを表現します。

犬の吠えにはさまざまな理由がありますが、家庭犬によく見られる吠えは、大きく分けると次の2種類です。

警戒による吠えと、要求による吠えです。

同じ「ワンワン」という吠え方に見えても、犬の気持ちや対応方法は異なります。

警戒吠えとは

警戒吠えとは、犬が不安や恐怖、緊張を感じたときに出る吠えです。

たとえば、インターホンの音、家の前を通る人、来客、知らない犬、聞き慣れない音などに反応して吠えるケースがあります。

犬は「知らない人が来たよ」「少し怖いよ」「これ以上近づかないで」と、吠えることで相手や飼い主さんへ伝えています。

このような警戒吠えに対して、大きな声で叱ると、犬はさらに不安を感じることがあります。飼い主さんも一緒に吠えているように受け取ったり、「やはり危険な状況なのだ」と判断したりする可能性もあります。

警戒吠えを改善するには、吠えたことだけを叱るのではなく、犬が安心できる環境を整えることが重要です。

外が見えて吠える場合はカーテンや目隠しを使う、インターホンに反応する場合は音量を調整する、来客時には落ち着ける場所へ誘導するなど、吠えが起こりにくい状況をつくりましょう。

要求吠えとは

要求吠えとは、犬が「何かをしてほしい」と伝えるための吠えです。

「ごはんが欲しい」
「散歩へ行きたい」
「遊んでほしい」
「抱っこしてほしい」
「ケージから出してほしい」

このような要求があるとき、犬は飼い主さんへ吠えることがあります。

要求吠えで注意したいのは、犬が吠えた直後に要求をかなえてしまうことです。

犬が吠えたときにごはんを出したり、抱っこをしたり、遊び始めたりすると、犬は「吠えれば希望が通る」と学習します。その結果、要求吠えが増えてしまう可能性があります。

要求吠えには、吠えている最中に反応するのではなく、落ち着いた瞬間に褒めたり、必要なものを与えたりすることが大切です。

ただし、排泄を我慢している、体調が悪い、水がないなど、本当に必要な要求である場合もあります。すべての吠えを無視するのではなく、犬の様子や生活環境を確認することも忘れないでください。

保護犬が家に慣れてから吠えるのは良い兆候?

保護犬を迎えた飼い主さんから、「最初はまったく吠えなかったのに、しばらくしてから吠えるようになった」というご相談を受けることがあります。

個人的には、保護犬が新しい家に慣れたころに吠え始めることは、良い兆候である場合も多いと考えています。

保護犬は新しい環境へ来た直後、強い緊張や不安から、動かず静かに過ごすことがあります。

吠えないからといって、必ずしも落ち着いているとは限りません。周囲の様子が分からず、自分の気持ちを表現できないほど緊張している可能性もあります。

新しい家で過ごすうちに、「ここは安全な場所かもしれない」「この人には気持ちを伝えても大丈夫」と感じるようになると、少しずつ本来の行動が見られるようになります。

そのひとつが、吠えるという行動です。

もちろん、吠え続ける状態をそのままにしてよいわけではありません。しかし、吠えるようになったことだけを問題視するのではなく、「この家で自分の気持ちを出せるようになった」と捉えることもできます。

まずは、その犬が何に反応し、どのような気持ちで吠えているのかを観察しましょう。

犬の吠えをゼロにする必要はありません

犬の吠えに対するトレーニングの目的は、吠えを完全になくすことではありません。

犬が吠える理由を理解し、犬も人も安心して暮らせる状態をつくることが大切です。

吠えが始まる前の状況、吠えているときの表情や体の動き、吠えた後に起こったことを記録すると、原因が分かりやすくなります。

犬の吠えには、必ず何らかの理由があります。

「吠えたから叱る」のではなく、「何を伝えようとしているのだろう」と考えてみてください。犬の気持ちが分かるようになると、必要な対応やトレーニング方法も見つけやすくなります。

Colors Dogでは、大阪市を中心に、犬の性格や生活環境に合わせたドッグトレーニングのご相談を承っています。

警戒吠えや要求吠え、保護犬との暮らしでお悩みの方は、犬と飼い主さんの双方が無理なく続けられる方法を一緒に考えていきましょう。

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