犬がうんちを食べるのはなぜ?食糞の原因と対策|犬の管理栄養士×ドッグトレーナーが解説

「愛犬が自分のうんちを食べてしまう」
「何度注意しても食糞が直らない」
「フードを変えても、食糞防止サプリを試しても改善しない」
このようなお悩みはありませんか?
犬が自分やほかの動物の便を食べる行動を「食糞(しょくふん)」といいます。
食糞は、子犬から成犬まで見られることがある行動ですが、原因は一つではありません。
食事や消化吸収の問題、健康状態、ストレス、生活環境、飼い主さまの気を引くための学習など、さまざまな要因が関係している可能性があります。
そして、食糞の相談でColors Dogが大切にしているのは、いきなり食糞をやめさせようとするのではなく、まず「なぜ食べているのか」を考えることです。
そのために必要なのが、愛犬の行動をよく観察し、データを集めること。
特に注目したいのは、
「排便した直後に食べるのか。それとも、しばらく時間が経ってから食べるのか」
という違いです。
一見同じ食糞という行動でも、食べるタイミングや周囲の環境によって、考えられる背景も対応方法も変わってきます。
今回は、大阪を中心に犬の食事相談とドッグトレーニングを行うColors Dogが、食糞の原因と改善に向けた考え方についてお伝えします。

犬の食糞とは?なぜ自分のうんちを食べるの?
食糞とは、犬が自分自身やほかの犬、動物の便を口にして食べる行動のことです。
飼い主さまにとっては驚く行動かもしれませんが、犬にとって便は必ずしも「避けるべきもの」とは限りません。
特に子犬では、周囲のものを口で確かめる探索行動の一つとして、便に興味を示すことがあります。また、母犬が子犬の排泄物を処理する行動も知られています。
ただし、すべての食糞を本能や習性だけで説明することはできません。
子犬の頃から続いている習慣もあれば、成犬になって突然始まる場合もあります。
大切なのは、食糞という行動だけを見て判断しないことです。
いつ、どこで、どのような状況で食べているのか。
そこを知ることが、改善に向けた第一歩になります。
犬が食糞する原因として考えられる5つのこと
食糞にはさまざまな原因が考えられます。ここでは代表的なものをご紹介します。
① 病気や体調不良が関係している可能性
まず確認したいのが、健康状態です。
食糞のすべてが病気によるものではありませんが、消化吸収の異常や寄生虫、食欲が過剰になる病気などが関係している場合もあります。
例えば、消化酵素の働きが不十分な状態や、腸で栄養をうまく吸収できない状態では、食事を十分に取っていても栄養が不足することがあります。
また、病気によって食欲が大きく増える場合もあります。
特に注意したいのは、今まで食糞をしなかった成犬が突然食べ始めた場合です。
食糞と同時に、体重が減っている、食欲が異常に増えた、下痢が続いている、便の量や状態が大きく変わったなどの症状がある場合は、動物病院で相談しましょう。
食糞を単なるしつけの問題と決めつけず、健康上の原因がないか確認することが大切です。
② ドッグフードや食事内容が関係している可能性
次に考えたいのが、毎日の食事です。
フードの量は適切でしょうか。
愛犬の年齢や活動量に合った栄養が取れているでしょうか。
食事の変更後に便の状態が変わっていないでしょうか。
食事量の不足や消化吸収の問題が、食糞に関係する場合があります。
ただし、食糞をしているからといって、必ず栄養不足というわけではありません。
また、「フードに穀物が入っているから」「特定の原材料を使っているから」という理由だけで食糞の原因を判断することもできません。
重要なのは、フードの商品名や価格だけではなく、その食事が愛犬の体に合っているかどうかです。
食事量、便の状態、体重の変化などを確認し、必要に応じて食事内容を見直すことが大切です。
フードを変えることだけを食糞対策の中心にせず、ほかの原因も一緒に考えていきましょう。
③ 体質や腸内環境、消化吸収の個体差
わんちゃんによって、便の量や硬さ、排便回数、食事への反応は異なります。
同じフードを食べていても、便の状態が同じになるとは限りません。
こうした違いには、食事内容や消化機能、腸内環境など、さまざまな要因が関わります。
腸内環境は犬の消化や健康に関係する大切な要素ですが、食糞をしているという事実だけで、腸内環境が悪いと判断することはできません。
また、腸内環境を整えれば必ず食糞がなくなるというわけでもありません。
便が極端に柔らかい、未消化物が多いように見える、排便回数が急に増えたなどの変化がある場合は、健康状態や食事内容を確認する手がかりになります。
Colors Dogでは、食糞という行動だけでなく、普段の食事や便の状態、生活全体を見て考えることを大切にしています。
④ 飼い主さまの気を引こうとしている可能性
食糞には、飼い主さまの反応が関係しているケースもあります。
例えば、わんちゃんがうんちを食べようとしたときに、
「ダメ!」
「こら!」
「食べないで!」
と大きな声を出したり、慌てて近づいたりしていませんか?
犬によっては、こうした反応が「飼い主さんが自分に注目してくれた」という経験につながる場合があります。
すると、食糞をしようとすることで人の関心を得る行動が、繰り返される可能性があります。
もちろん、すべての食糞が気を引くための行動というわけではありません。
しかし、飼い主さまがいるときに食糞が起こりやすいのか、見ていないときにも起こるのかは、観察したいポイントの一つです。
食糞を止めようとしている飼い主さまの行動が、結果としてその行動を強めている可能性もあるのです。
⑤ 退屈・ストレス・習慣化
生活環境や日々の過ごし方も、食糞に関係することがあります。
運動や遊びなどの刺激が不足している。
長時間、排泄物がある場所で過ごしている。
生活環境の変化によってストレスを感じている。
こうした状況が、食糞のきっかけや継続に関係することもあります。
また、最初は何となく口にしただけでも、それを繰り返すことで習慣になってしまう場合があります。
一度習慣になった行動は、単に叱ったり、食べないように声をかけたりするだけでは、なかなか変わらないことがあります。
だからこそ、環境を整えることが重要になります。
食糞対策で最初にするべきことは「データ収集」
食糞を改善したいと思ったとき、すぐに何か対策を始めたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、Colors Dogでは、まず普段の行動を観察することを大切にしています。
なぜなら、原因がわからないまま対策を始めても、その子に合った方法とは限らないからです。
例えば、次のようなことを記録してみてください。
- 排便した時間
- 食糞をした時間
- 排便直後に食べたのか、時間が経ってから食べたのか
- 便の量や硬さ、状態
- 食糞したときに飼い主さまが近くにいたか
- 食糞する直前に何をしていたか
- その日の食事内容や食事時間
- 食糞した場所や周囲の環境
すべてを完璧に記録する必要はありません。
まずは数日から1週間ほど、わかる範囲で記録してみましょう。
食糞が起こらなかった日も記録すると、違いを見つけるヒントになります。
例えば、朝の排便後にだけ食べる子もいれば、お留守番中に食べる子もいます。
人が近くにいるときだけ食べようとする子もいるかもしれません。
こうした情報を集めることで、その子の食糞がどのような状況で起こりやすいかを整理できます。
食糞対策は、まず愛犬を知ることから始まります。

「すぐ食べる」と「時間が経ってから食べる」は大きな違い
ここは、Colors Dogが特に大切にしているポイントです。
食糞の相談では「うんちを食べてしまう」という結果だけでなく、排便してから食べるまでの時間を確認します。
排便した直後に食べる場合
排便を終えた瞬間に振り返り、そのまま便を食べてしまう。
このような場合は、排便直後の行動がすでに一連の流れとして習慣になっている可能性があります。
また、便への興味が強く、排便後すぐに口にしようとしていることも考えられます。
このタイプでは、排便のタイミングを予測し、食べる前に別の行動へ誘導できる環境を整えることが重要です。
ただし、排便直後に食べるからといって、必ず習慣だけが原因とは限りません。
健康面や食事面も含めて考える必要があります。
時間が経ってから食べる場合
一方、排便直後には食べないのに、しばらくしてから便を食べる子もいます。
例えば、排便後はその場を離れ、あとから便のある場所に戻って食べてしまうケースです。
この場合は、便が長時間届く場所に置かれていることや、留守番中の過ごし方、退屈、日常の行動パターンなども確認したいポイントになります。
排便直後に食べる場合と、時間が経ってから食べる場合では、対策を行うタイミングも変わります。
もちろん、この違いだけで原因を確定することはできません。
しかし、食糞が起こるまでの流れを知ることは、改善方法を考えるうえで非常に重要です。
食べたか、食べなかったかだけでなく、そこに至るまでの行動を観察しましょう。
食糞をやめさせる基本は「排泄物を回収すること」
さまざまな食糞対策が紹介されていますが、まず取り組みたい基本があります。
それは、愛犬が便を食べられないよう、排泄物を適切に回収することです。
とてもシンプルですが、食糞対策では大切な取り組みです。
排便後、食べる機会が何度もあれば、その行動が繰り返される可能性があります。
反対に、便を食べる機会を減らすことで、習慣を変えるための環境づくりにつながります。
具体的には、次のような流れを意識します。
① 排便するタイミングを把握する
食後や起床後など、愛犬が排便しやすい時間帯を確認します。
② 排便中は落ち着いて見守る
慌てて近づいたり、大きな声を出したりせず、安心して排便できるようにします。
③ 排便が終わったら、便から離れる行動へ誘導する
名前を呼ぶ、少し離れた場所へ誘導するなど、その子ができる方法を使います。
便から離れて人の方に来られたら、ほめたり、ごほうびを与えたりすることも有効です。
④ 愛犬が便に戻れない状態で、速やかに回収する
安全な場所に誘導してから便を回収します。
食糞しようとしている犬と、便を取り合うような状況をつくらないことが大切です。
すぐに食べようとする子の場合は、排便を予測して事前に準備する必要があります。
また、飼い主さまが見ていない間に排便する子の場合は、排泄環境や見守り方を見直すことも必要です。
ただし、排便を我慢させたり、無理にトイレへ閉じ込めたりすることは避けましょう。
食糞させないことと、安心して排便できること。その両方を大切にする必要があります。
食糞をしたときに叱るのは逆効果?
愛犬が便を食べている姿を見ると、思わず大きな声を出してしまうこともあると思います。
しかし、叱ることで必ず改善するわけではありません。
犬によっては、飼い主さまの反応が注目を得るきっかけになったり、排便そのものに不安を感じたりする可能性があります。
また、取られまいとして急いで飲み込もうとする場合も考えられます。
食糞してしまったときは、できるだけ落ち着いて対応しましょう。
無理やり口を開けて取り出そうとすることや、大声で追いかけることは、けがや誤飲につながるおそれもあります。
大切なのは、食糞したことを責めるのではなく、次に同じ状況をつくらないために何ができるかを考えることです。
食糞防止サプリやフードの変更だけで改善する?
食糞について調べると、食糞防止サプリやフードの変更など、さまざまな方法が出てきます。
もちろん、食事内容の見直しが必要な場合もあります。
しかし、食糞の原因が食事以外にある場合、フードだけを変えても十分な改善につながらない可能性があります。
例えば、飼い主さまの反応によって食糞が続いている場合や、排泄物が常に届く場所にある場合です。
そうしたケースでは、食事を見直すだけでなく、行動への対応や生活環境の調整も必要になります。
また、腸内環境を整える目的でサプリメントを利用する場合も、それだけで食糞が改善するとは限りません。
大切なのは、流行している対策を次々と試すことではなく、愛犬の状態を確認しながら必要な方法を選ぶことです。
食糞は「食事」と「行動」の両方から考えることが大切です。
食糞の改善には「根気」が必要です
ここまで、食糞の原因や対策についてお伝えしました。
ただ、もう一つ非常に大切なことがあります。
それは、食糞の改善には根気が必要だということです。
今日対策を始めて、明日からまったく食べなくなるとは限りません。
特に、長い期間繰り返してきた行動は、習慣として定着している場合があります。
だからこそ、数日取り組んで変化が見られないからといって、すぐに別の方法へ切り替えるのではなく、取り組み方を見直しながら継続することが大切です。
もちろん、体調不良が疑われる場合や、対策によって強いストレスが生じている場合は、同じ方法を続けるべきではありません。
大切なのは、無理をして続けることではなく、愛犬に合った方法を根気よく積み重ねることです。
例えば、
昨日は排便直後に食べてしまったけれど、今日は一度こちらを向くことができた。
以前は毎回食べようとしていたけれど、最近は便から離れられる場面が増えた。
そんな小さな変化も、改善へ向かう大切な一歩です。
食糞しなかった回数や、便から離れられた回数も記録すると、変化を振り返りやすくなります。
大切なのは、食糞をしなかったという結果だけではなく、食糞しなくても過ごせる環境と習慣を育てること。
焦らず、少しずつ取り組んでいきましょう。
犬の食糞についてよくある質問
Q. 犬がうんちを食べるのは栄養不足が原因ですか?
A. 栄養不足が関係する場合もありますが、すべての食糞が栄養不足によるものではありません。
食事内容、健康状態、探索行動、ストレス、習慣など、さまざまな原因が考えられます。
Q. 食糞はフードを変えれば直りますか?
A. フードの変更だけで改善するとは限りません。
食事の問題が関係している場合は見直しが役立つ可能性がありますが、行動や環境が関係している場合は、そちらへの対応も必要です。
Q. 犬が排便後すぐにうんちを食べるのはなぜですか?
A. 排便直後の行動が習慣になっていたり、便そのものに興味があったりする可能性があります。
ただし、タイミングだけで原因は断定できません。まずは排便前後の様子を観察することが大切です。
Q. 食糞は自然に直りますか?
A. 成長とともに見られなくなる犬もいますが、続く場合もあります。
自然に直ることだけを期待せず、便を食べる機会を減らし、適切な生活環境を整えることが大切です。
Q. 食糞したときは叱った方がいいですか?
A. 強く叱ることはおすすめしません。
不安やストレスにつながったり、飼い主さまの反応によって行動が強まったりする場合があります。排便後に落ち着いて便から離れられるようにし、速やかに回収する方法を考えましょう。
Q. 食糞を改善するにはどのくらい時間がかかりますか?
A. 改善までの期間には個体差があります。
習慣の強さや原因、生活環境によって異なります。記録を取りながら、無理のない方法を継続することが大切です。
大阪で犬の食糞・食事・しつけにお悩みの方へ|Colors Dog
食糞は、飼い主さまにとって大きなお悩みになりやすい行動です。
毎日うんちを食べないか気になってしまう。
排便するたびに慌ててしまう。
いろいろ試したけれど変化がない。
そんなときこそ、食糞という行動だけを見るのではなく、愛犬の暮らし全体に目を向けてみてください。
Colors Dogは、大阪市を拠点に、犬の管理栄養士とドッグトレーナーの視点から、愛犬の食事としつけをサポートしています。
犬の食糞についても、
- 健康状態や食事内容に気になることはないか
- どのようなタイミングで食糞が起きているか
- 食糞が起こりやすい環境になっていないか
- 飼い主さまが無理なく続けられる方法は何か
といったことを整理しながら考えていくことを大切にしています。
大阪市をはじめ、藤井寺市・羽曳野市など大阪府内で犬の食糞やしつけにお困りの方は、ぜひご相談ください。松原市周辺の方も、訪問可能な地域や相談方法についてお問い合わせいただけます。
食糞の改善に、すべての犬に共通する一つの正解があるわけではありません。
まずは原因を考えること。
そのためにデータを集めること。
食べられない環境をつくり、基本に忠実に排泄物を回収すること。
そして、根気よく取り組み続けること。
小さな積み重ねが、愛犬との暮らしを変えるきっかけになります。
Colors Dogは、愛犬の食事と行動の両面から、飼い主さまとわんちゃんに合った方法を一緒に考えていきます。
ひともいぬも、食と暮らしに彩りを。



